この記事の要点
外注の判断基準は、コストや専門性ではなく「その仕事から生まれる情報を社内に残したいか」です。判断に使う情報が出る仕事は、外注しても関与の形を残します。
外注するかどうかを、単価と工数で判断すると、たいてい短期的には正しく、数年後に困ります。困るのは費用ではなく、その仕事から生まれるはずだった情報が社内に残らないことです。
目次
情報が出る仕事と、出ない仕事
同じ「作業」でも、性質が分かれます。
| 観点 | 情報が出る仕事社内に関与を残す推奨 | 情報が出ない仕事早く任せる |
|---|---|---|
| 例 | 推奨顧客との一次接触失注理由の聞き取り | 定型の入力・集計手順が確定している作業 |
| 判断の発生 | 推奨する毎回ちがう | しない手順どおり |
| 品質の確認 | 推奨結果だけでは分からない | 数値で確認できる |
| 任せ方 | 推奨実作業は外部、同席と共有は社内 | 全面的に任せてよい |
線の位置は事業の段階で変わります。年に一度、見直します。
顧客と直接やりとりする仕事、断られた理由を聞く仕事、うまくいかなかった原因を特定する仕事。これらは作業の副産物として判断材料が出ます。ここを完全に外に出すと、判断のたびに外部に聞くことになります。
全部を内製する必要はない
情報が出る仕事でも、実作業は外部に任せられます。残すのは作業ではなく、関与の形です。
- 一次情報が集まる場に、社内の担当が同席する
- 報告を「結果」ではなく「判断に使える形」で受け取る取り決めをする
- うまくいかなかった例を、月に一度まとめて共有してもらう
契約時にこの3点を入れておくかどうかで、1年後に社内に残るものが変わります。
逆に、早く任せたほうがよい仕事
手順が確定していて、判断が発生せず、品質が数値で確認できる仕事は、早く外に出したほうが得です。社内で抱えていても、そこから新しい判断材料は出てきません。
判断を、年に一度見直す
内製・外注の線引きは、事業の段階によって変わります。立ち上げ期に外に出していた仕事が、規模が出てから内製に戻る例も、その逆もあります。決めたことを固定せず、年に一度、線の位置を確認します。
