この記事の要点
一件あたりの採算を全員が同じ式で見られると、部門ごとの主張を同じ土俵で比較できます。式は分解しすぎず、原価・獲得費用・継続の3要素にとどめるのが実務的です。
経営会議で議論が噛み合わないとき、原因はたいてい意見の違いではなく、前提としている計算式の違いです。営業は売上で、マーケティングは獲得件数で、管理部門は営業利益で話している。同じ事業について話しているのに、結論が合いません。
目次
一件あたりに揃える
ユニットエコノミクスは、事業を「一件あたり」に揃えて見る考え方です。全体の損益では見えない構造が見えます。
- 売上(一件あたり) 120,000円
- 直接原価 −46,000円
- 獲得費用 −38,000円
- 一件あたりの残り 36,000円
例示のための数値です。間接費は、この3要素で黒字を確認してから全体で見ます。
分解しすぎない
精緻にしようとすると、間接費の配賦や共通経費の按分といった議論が始まります。ここに入ると数か月かかり、そのあいだ誰も使いません。
実務では、次の3要素にとどめるほうが機能します。
- 一件あたりの粗利売上から直接原価を引いたもの
- 一件あたりの獲得費用広告費と、獲得に直接かかわる人件費
- 継続の見込み何回、あるいは何か月続くか
間接費は、この3つで黒字が確認できてから、全体でまかなえるかを別に見ます。順番を分けると、議論が混ざりません。
数字より、前提を共有する
「一件あたり粗利4.2万円」という数字そのものより、それがどの期間の、どの顧客層の、何を含んだ数字かのほうが重要です。前提が共有されていれば、数字が動いたときに理由を特定できます。
毎月同じ形で出す
一度作って終わりにせず、毎月同じ形式で出します。3か月分が並ぶと、単月の上下ではなく傾向が見えるようになります。判断が変わるのは、たいてい傾向が変わったときです。
